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2013.01.09

新年に思うこと|太田喜久子(看護医療学部長)

※今回のテーマ:「おかしら」であいうえお作文

<お>おきなスポーツの祭典、オリンピック、パラリンピックを2020年東京に招致しようという動きが盛り上がってきている。昨年のロンドン大会での日本選手の大活躍が後押ししているという。塾生、塾員の活躍もすばらしかった。テレビを見ても、新聞を読んでも、気づいたら夢中になって応援していた。

<か>のうせいに挑戦している姿が、見ている者を感動させる。さらに選手の語る言葉に打たれるのである。「自分の生き方のため」、「次の人生の第一歩に」、「自分の力だけではここまで来ることはできなかった」などなど、並はずれた力を持つ者が人並み以上の努力をして得た結果から生まれた実感である。
若い世代だけでなく、日本選手最年長の法華津選手の落ち着いた美しい雄姿には、年を重ねてなお磨かれる可能性を教えられた。また怪我したり、失敗した苦い経験が、次世代育成への情熱に向けられるなど、新たな可能性が開かれることも教わったオリンピックであった。

<し>んねんがやってきて、脱皮する巳年は人生の節目を迎えはじめてのお正月である。気持ち新たに、どのような年にしようかとさまざま思いを馳せる。人出でにぎわっている初詣、ようやく順番がやってきて手を合わせる一瞬だけ物音が消え、祈りに集中する。そんな時は、抱きあげられた犬も常になく神妙にしているから不思議である。そして、

<ら>いねんはと、もう来年のことを考える。
1つのことに集中できる心と、ことを実現するからだは、何事を成すにもなくてはならないものである。年々この心とからだがおぼつかなくなる変化を自覚しつつも、しかしやってくる未来をあれこれ思い描き、楽しく思えることは有難い。

夢がなければ何も変わらない。こうなればいい、こうしたい、と夢を持ち、それが叶うように思い続ければ、やがて道は開かれる。それはきっと、夢を実現させるセンサーが敏感に働き、人との出会いやチャンスを嗅ぎ分け能動的に反応するからではないだろうか。どうか皆さんにとってもよい1年になりますように。

(掲載日:2013/01/09)