ロンドンオリンピックの盛り上がりから、ずいぶんと日数がたってしまいましたが、「オリンピック」がテーマになっているので、少々書かせていただきます。
まずは、SFCからオリンピック、パラリンピックに参加された立石君、山縣君、土居さん、高桑さん、お疲れ様でした。立石君の競泳の銅メダル、おめでとう。
文学部の三宅君、フェンシングの団体の銀、おめでとう。SFC卒業生の横田さん、義塾の大先輩、法華津さんお疲れ様でした。
10月1日には、三田で報告会が行われ、10月11日にはSFCで報告会が行われました。SFCでの報告会には、SFCの在学生である4人とSFC卒業生の横田さんが揃うことができ、中庭の秋祭用ステージを一足早く使い、四年後の抱負等を語ってもらいました。学部長も話していましたが、授業への出席を守りつつ活動する姿勢は素晴らしいと感じました。
今回出場された在学生のみなさんには、ぜひこれからのキャンパス生活の中で、自身の貴重な体験を語り、他の学生へのよい刺激を与えてもらえればと思います。
そして、今回のロンドン五輪で、私が注目したいのは、ボクシングの村田選手の金メダル、そしてアーチェリーの古川選手の銀メダルです。この二人の共通点は、大学の職員ということです。
私も大学の職員をしているので、この二人の活躍には感激しました。五輪には、他の種目でも大学職員は出場していましたが、大学職員として業務をしながら、世界のトップクラスで競技をするということは、大変なことだと思います。
もちろん、大学生という練習相手がいたり、大学施設という競技環境が身近にあるという点は、大学職員ならではのアドバンテージの部分だとは思いますが、それであっても、一流の競技者としての力を維持するために仕事と練習を両立することは、本人の強い意志と努力の賜物だと思います。
さて、私のオリンピックの思い出というと、こうした感心するような思い出ばかりではありません。
- ブランテージIOC会長時代の五輪におけるアマチュアリズムとプロ問題
- 女子選手の男性疑惑に関する問題
- ミュンヘン五輪時のテロ問題
- ロス五輪、モスクワ五輪のボイコット問題
- ドーピング問題
- 代表選手の服装問題
こうしてみていると、スポーツの祭典を通じて、様々な問題を提供していると感じます。
そして、今回のロンドン五輪では、バドミントンの無気力試合問題が印象に残っています。
一部の人は、予選リーグと決勝トーナメントのシステムを考えれば、起こりうることだったと論評しました。確かにそうなのかもしれません。そうであれば、システムを改めることも必要でしょう。
しかし、あの場に立てる選手として選ばれて出場した選手であるからこそ、あのような試合をしてはほしくなかったというのが、私の意見です。
将棋界には、日本将棋連盟会長の米長氏の名前を冠した「米長理論」というのがあります。「自分にとっては降級や昇級のかかるような一戦でなくとも(消化試合であっても)、相手にとってそのような重要な一戦であるならば、全力で相手を負かしにいかなければならない。」というのがその趣旨です。もちろん、どの対局も全力で戦っているのでしょうが、やはり、相手の状況がみえると気力が十分に満ちないこともあるのが、人と人との戦いなのでしょう。それを戒める意味もあるのでしょうし、その時の結果がのちのちに自分に跳ね返ってくるというような意味合いもあるのでしょうが、私は、勝敗がある競技において、このような敢闘精神は非常に大事なことだと思います。
それは、相手に対しての敬意でありますし、自分がプレイしているその競技自体に対しての敬意であるからです。
オリンピックというスポーツの祭典は、私のように、観戦し、応援するものにとっても、いつも何かしらの示唆を与えてくれます。
4年後は暗い話題ではなく明るい話題で盛り上がることを楽しみにしています。
(掲載日:2012/10/12)