大学キャンパス付近には語り継がれる学生の愛する店があります。私たちSFCのまわりにもそのような店がだいぶ増えてきました。20年のSFCの歴史を支えた学生たちが愛する湘南台のあの店には、海外で活躍するある卒業生が、一時帰国で(キャンパスより先に)真っ先に訪れます。パスタばっかり食べるカリフォルニアから帰ってきて湘南台でパスタかよー、と思いますが好きな食べ物ってそんなもん(A)。SFCが開設された20年前には駅前にあまり飲食店がなく、かなり遠くまで探しに行ったことを覚えています。おっかないオヤジがつくるラーメン屋を発見したときは嬉しくて、随分通っていましたが、そのうち超有名になってしまい、オヤジはラーメンのカリスマとかいわれるようになってしまいました(B)。私が長くいた日吉・矢上台時代には、やはり先輩から教えていただいた店に味で通っていました。私が座れば「めちゃからバージョンのカルビクッパ」が自動的に出てきたものでした(C)。最初に勤めた大岡山の東京工業大学時代は、一日二食たべても飽きないと思っていたラーメン屋に通っていました。大勝軒系という専門知識を得たのは、のちのラーメンブームになってから(D)。なかなか日本で定着しないのがメキシコ料理ですが、本場ではなくアメリカで味を覚えた私のねらいは、Texmexというか、アメリカン・メキシコ料理。自由が丘にあるあの店には本当によく行っていたので閉店したときはショックでしたが、本店は広尾なので、三田での常任理事時代はこちらにお世話になっていました。こちらはお客さんはアメリカ人が多いです(E)。その三田の常任理事時代に通っていたのはある変わったそばやさんです。キャンパスとお役所のある霞が関との間にあるこの店は、いつも行列なのですが、SFC一期生の農業系卒業生の絶大な推薦をきっかけに、通うようになった店です(F)。東京大学に移ったころに、東大出身、先輩学部長でもある斎藤信男先生にご紹介いただいた斎藤先生御用達のおでん屋さんは、先生が通われていたときと同じ味だとおっしゃっていたので、驚いたら、夏目漱石の頃から同じ味だそうです(G)。御用達と言えば、私が通うのは、皇室御用達と大きな看板のあるうなぎやさん(H)。そして、場所柄、噺家や粋な人が集う「日本一の親子丼」がある鳥やさん(I)にもよく行きました。SFCが始まる頃には、家の近所にとんでもないカレー屋さんができました。インパクトが強すぎてこの味は筆舌には尽くせません。普通の人は拒否から入るのですが、はまります。私の周りのSFC生には無理やりその店に通わせて、3回目ぐらいからようやく私と同じ中毒状態まで魅せられる学生を増やすことに成功します。元の世田谷の店は閉店しましたが、現在は東横線にある本店に時々通っています(J)。
食は文化。SFC生が、一生心に秘めるはまっちゃう店が増えるといいね。
解答欄(100点満点 各10点)
(A) (B) (C) (D) (E) (F) (G) (H) (I) (J)
(掲載日:2010/03/04)