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2008.07.31

バーチャルオリンピック|金子郁容(政策・メディア研究科委員長)

塾高が夏の甲子園に行く事になった。全国で有数の激戦区である北神奈川大会を勝ち抜いての快挙だ。私は子供のとき熱烈な巨人ファンだったのがいつしかアンチになって、今では野球にはあまり関心がなくなった。しかし、慶應高校の甲子園の試合は是非見たい。優勝とまではいかなくても、前回のように一回戦でいなくならずに、甲子園での戦いを少なくとも何戦かは楽しませてもらいたい。

そういえば、最近はテレビでプロ野球中継が少なくなった。一方でゴルフは毎週のように男女ともやっている。想像するに、ゴルフ好きのお父さんたちは --- プロゴルファーのプレーは技術的にはまったく素人の参考にならないではなかろうかと思ってしまうが ---自分が画面の中でナイスショットを決めているところを想像して見るのであろう。

そんな憎まれ口を言っている私も、テレビのマラソン中継はほとんど欠かさず見る。20-30代でウィスコンシン大学で教えていたころは湖が多い美しいマディソンの街を毎日のように走っていたのだが、日本に戻ってすっかり止めていた。幼稚舎長のころ、子どもたちと約束したのをきっかけに50歳になってからフルマラソンを始め、それ以来毎年一回走っている。テレビのゴルフ番組で石川遼君やさくらちゃんを見るお父さんと同じように野口みずきや土佐礼子の走りを、実際は何の参考にもならないのだが、自分に置き換えて手に汗を握って見ているのである。  

世界レベルのマラソンランナーと私のような市民ランナーの“はしくれ”がどのくらい違うかというと、野口みずきがゴールテープを切るころ私は丁度折り返し点に到着するかしないかだ。まあ、それで、人には「だから、私のマラソンは野口みずきより二倍すごいのだ」などと自慢しているのである。

ということで、オリンピックでは女子マラソンが一番楽しみだ。(それにしても、本当は、Qちゃんにも出てほしかった・・・)

(掲載日:2008/07/31)

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