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2008.12.11

義塾創立150年:150年前に生きていたら、何をしていた?|大西祥平(健康マネジメント研究科委員長)

健康マネジメント研究科後期博士課程の院生の方々と健康概念についての勉強会を毎週木曜日の朝8時からしています。週のうち、火曜日、木曜日、金曜日の3日は院生の方々と8時から勉強会を開いています。確実に時間が取れるのは朝だけなので早起きを強いていて申し訳ないのですが続けています。私も5時起きです。これは毎日ですが。

健康概念について議論している中で健康格差の話題となりました。健康格差とは、教育(中卒、高卒、大卒かどうか)、職種、経済状態などが健康の度合いに関連するというものです。その格差をどのように解消していくかをEUは施策として戦略的に取り組んでいるのが最新の話題です。先進的な動きの中心は欧州のオランダです。何故オランダなのかといった疑問が院生の皆さんにも沸き上がり、オランダについてより精査する必要を感じ、「え、蘭学を勉強しなければならないの?」といった話題となりました。この期に及んで蘭学を勉強する?思ってもみなかったことです。福沢諭吉先生は蘭学を学ばれ、その後英語が重要であるとされました。蘭学を勉強するところまではいきませんが、ヨーロッパ各国の健康についての取り組みに関する情報は米国とは異なり、私たちにとって非常に参考になるものであり、フランス語、ドイツ語などEUの母国語情報の必要性を強く意識しているところであります。私自身、米国医学の進歩に沿って学んできたわけですが、これからの日本においての健康施策についてどのような理念理想に基づき進めていくか、多いにEUの動きに影響されるところ大であると感じています。そうした上で、我々日本はどうするかを決めていかなければならないのです。こういったことは150年前も、今も変わりはないようです。先進事例を学び、我が道を振り返り、反省・評価し、そして事を進めていく、この姿勢は常に必要であると自らを戒めています。

(掲載日:2008/12/11)