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2007.11.02

こころに残るふるさと|徳田英幸(政策・メディア研究科委員長)

慶早戦、残念でしたね。久々に緊迫感のあるいい試合でした。タラレバになってしまいますが、第2戦の9回の攻撃が爆発していれば。。。かつて、学生時代に、慶早戦の後、日比谷公園の噴水の中へ仲間たちと飛び込んだ話(「学生時代にやってしまった儀式」)を書きましたが、ぜひ、1年生の人たちには慶早戦を味わってもらいたいですね。

さて、お題のこころのふるさとですが、東京生まれの東京育ちの私にとっては、東京にある私の実家がこころのふるさとかも知れません。ただ、他にもいくつか"こころに残る"ふるさとがあります。

ひとつは、"虎の穴的なふるさと"であり、博士課程時代に鍛えて頂いたカナダのWaterloo大学のComputer Communications Network Group (CCNG)の研究室です。毎日、夕食を食べた後は、必ずCCNGのオフィスにもどって、仲間たちとシステム作りに励んでいました。私たちが研究開発していたのは、Shoshinという分散ソフトウェア・テストベッド です。様々な分散ソフトウェアの開発を容易に行なうことができる分散システムで、2台のPDP11/45と10台のLSI11/23をバスで結合したシステムでした。

CCNGには、香港、中国、ベトナム、ブラジルなどからも留学生が多く、毎日夜中の12時ごろ、皆でティータイムを取りながら、研究や将来の夢などを熱く語っていました。中でも留学生達が持ちまわりではじめたお国料理を紹介するccng.lunchという昼のポットラックパーティは、大変懐かしいですね。

CCNG






ふたつ目は、第2の故郷ともいえるべき、Carnegie Mellon大学時代の研究室とPittsburghです。Pittsburghは、鉄鋼の街でしたので、スモッグの街として有名でした。スモッグの語源は、smokeとfogからの合成語で、Pittsburghのタウンタウンあたりの煙と霧が混ざった状況をさして生まれたとのことです。私が赴任した1983年ごろは、すでに、ダウンタウンの再開発が進んでおり、実際は、スモークなどまったくない大変綺麗なダウンタウンになっていました。空港からダウンタウンに向かっていくと、最後のトンネルを抜けて綺麗なダウンタウンが眼前に広がり、「これPitts?」といった驚きを誰もが持ちます。研究室からは、お隣のカーネギー財団の美術館やPitts大のCathedral of Learningが眼前に広がり、端末の見すぎで疲れた目をいつも癒してくれました。

カーネギー財団の美術館やPitts大のCathedral of Learning






毎週金曜日の夕方には、TGIF(Thanks God, it's Friday)という学科のパーティがあり、担当グループがいろいろと趣向をこらして食べ物を用意していました。ありとあらゆるジャンクフードだけを集めた時などもあり、辛いバッファローチキンウィングなどは大変懐かしいですね。

SFCの学部を卒業した人、そして、修士号や博士号を取得した人、それぞれひとりひとりの「こころのふるさと」は、違うものだと思います。でも、どこか1つでも、「こころに残るふるさと」がSFCのどこかにあってもらえるといいですね。

(掲載日:2007/11/02)

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