9月末で私の学部長任期が満了になります。今回が最後のおかしら日記ですので、この機会に総括しておこうと思います。
多くの高校生が入学試験のために勉強をし、偏差値に振り回され、そして大学に入学すると今度は卒業単位を揃えるために勉強する。そんな閉塞感のある日本の高等教育を刷新することがSFCの使命です。私は学部長職を拝命してから、このことに徹底的にこだわってきました。
本来、学ぶことは楽しいことであり、学問は面白い。与えられて学ぶのではなく、自らテーマを設定する。そんな理想の教育システムを実現するためにはどうしたらよいか。多くの教員や学生たちと議論して新学則「SFC未来創造カリキュラム」を導入し、AO入試システムもテコ入れしました。その成果でしょうか、今年のAO入試はSFC史上空前の志願者増となりました。
学部長職はやりがいもあるとても楽しい仕事でした。とくに、入学式や卒業式をはじめ多くの学生諸君と話をする機会に恵まれたことは幸せでした。
一方、愉快でなく疲れる仕事も山ほどあったことも確かです。放り出してしまいたくなることもたくさんありましたが、めげずに任期満了まで職責を全うしたことは、少なくとも某国の総理大臣よりは良い仕事をしたと自負しています。
私が学部長就任時に表明したことは殆どすべて実現したので、なんの心残りもなく次期学部長の徳田さんにバトンタッチいたします。そして10月から私は、再びサイエンスの最前線に立って、研究・教育で義塾に貢献すべく全力を尽くす所存です。
最後になりましたが、総合政策学部長としてパートナーだった小島さんと阿川さん、個人的にも力強く応援してくれた安西塾長や村井さんをはじめとする常任理事の方々、学部長補佐の熊坂さんをはじめ多くの先生方と事務室・秘書室の方々、親愛なる学生諸君、そして私の家族に、心より感謝します。
2007年9月20日
慶應義塾大学環境情報学部 冨田 勝
学部長任期満了を記念してSFC生有志たちから貰ったプレゼント。
映画「Back to the Future」のパロディーで、そのセンスの良さはさすがです。
(掲載日:2007/09/20)
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