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2008.03.14

おかしらのちいさな幸せ|大西祥平(健康マネジメント研究科委員長)

私は医師として患者さんの幸せを願い、病気が回復し、そして希望に満ちた日常生活に復帰してもらうこと、このことが当たり前のことでありますが、自分自身の患者さんへの関わりにより得られたときには無性の幸せとして感じています。今現在は病院での勤務の仕事はありませんので、病棟にて患者さんと接触する機会はありません。これから述べることは昔のことです。

卒業したての研修医だった私は、朝患者さんの朝食前に回診に行くことを心がけていましたが、患者さんから「先生、今日のネクタイは素敵ですね。」、「毎日、先生の異なったネクタイを見るのが楽しみです。」と云われることが多く有りました。我々医師の立ち居振る舞いを、患者さんが非常に注意深く観察しておられるのにびっくりしたものでした。またこのようなことで患者さんに喜んでいただけることは、わたしにとっても小さな幸せでありました。悲しいかなワイシャツとネクタイの購入費用はばかになりませんでしたが。

私はいつも仏頂面をしているようです。取っ付きにくい、怖い、話しかけにくいとの評価が多くあります。どうしてかな真剣に悩んだりしますが、患者さんの前では決してそうではないこと強調しておきたい。といいますか、患者さんに対して医師から積極的に微笑みかけることによって、患者さんも微笑み返しをしてくださること、このことによって良きコミュニケーションが出来そうだと感じること、これは私にとって大切な小さな幸せごとであります。いつも不安を抱き、どのようにして良いか悩んでいる患者さんへのアプロー チの大切さをいつも感じています。

慶應病院のスポーツクリニックは、一般の外来と比べてゆったりしているので、私にとっては理想的な外来のスタイルとなっています。

(掲載日:2008/03/14)

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