この際はっきりもの申してしまおう。
国立大学の授業料は私大の約半額であるが、これは経営努力の結果ではなく、税金が無条件に大量流入されているからにすぎない。私立大学は教育内容の改革など様々な工夫・努力をして魅力ある大学を作り学生を獲得しているが、国立大学は授業料が安いことをいいことに、たいした努力をしなくても学生が集まることになる。宇宙開発とか、私大では手の出ない分野については、税金を投入して国立大学が担当することには異存はない。しかし国立大のほとんどの学部は私大と同じ内容ではないか。にもかかわらず国立大学だけに税金が無条件で投入されるのはおかしいし、不当な競争だと思う。
そこで私の提案は以下の通り。
国立大は(独立法人化したのだから)授業料を私大並みに引き上げ、それで浮いた大量の税金を「大学授業料バウチャー制度」の財源とする。優秀な高校生および低所得家庭の高校生にこのバウチャーを配布し、入学する大学が国立であろうと私立であろうと、学費が減免される。
「一流」を自認する国立大学からしてみれば、ほとんどの学生がバウチャーを獲得して入学してくるはずだから、授業料を引き上げても結局現状と変わらないはずだ。一方私立大学にしてみれば、経済的な理由で私大に進学できなかった学生を獲得できる可能性が広がる。また高校生からしてみれば、経済状況と関係なく大学の選択肢が広がるのだから朗報だ。
何人かの有識者にこのアイデアを話したことがある。するとみんな「まったくの正論なので、そうあるべきだ」と答える一方、「国立大学関係者が激しく抵抗するだろうから、実現はまず無理」と口を揃える。安倍さんでも無理だろうか。もし福澤諭吉が生きていれば、きっと命をかけてでも正論を押し通して実現してくれたに違いない。
(掲載日:2006/09/28)
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