いま夏休みであるが、SFCでは来春の「未来先導カリキュラム」の実施に向けて、委員長の萩野先生を中心にカリキュラム委員会が休暇返上で精力的な作業を進めている。
学部では必修となる卒業プロジェクトをゴールに、「創造系」と「先端系」を二本柱として学生に必要不可欠な科目群を配置する。作業は昨年秋から本格化し、とくに学部長指名のカリキュラム・特命チームが活躍した。新カリキュラムの基本構想から、SFCが目指す「問題の発見と解決」への頭の切り替えに必要なパースペクティブの獲得と基本知識の再確認のための「リフレッシャー」科目、そして「創造」と「先端」という斬新な科目枠組みの設定まで、ほとんどがこの特命チームで練り上げられた。
特命チームのメンバーは、SFC出身者を含めて30歳代の若手教員によって構成された。SFCは2010年に開設20周年を迎えるが、特命チームのメンバーたちは少なくとも40周年をこえてSFCに在籍する。メンバーは30歳代で、私からみれば「今どきの若者」である。しかし「優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心」に驚くとともに、敬服するばかりだ。
SFCは開設以来、つねに「走りながら考え、実行する」という挑戦の志をもって、他大学を先導してきたと自負している。20年、30年後もそうありたいとの理想に燃えて、特命チームは「未来先導カリキュラム」の基本方針を練り上げた。創造力、意志、情熱、勇猛心と冒険心を「青春」の条件にあげたサミエル・ウルマンは、「理想を失う時に老いが到来する」と語っていた。なおSFCは「青春」真っ只中にあり、私も「理想」を失わずにいきたいと願っている。
(掲載日:2006/08/18)
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