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2006.04.20

わたしの健康法|小島朋之(総合政策学部長)

現代中国の「救星」といわれた毛沢東は、1949年に建国された中華人民共和国に君臨して27年間、煙草を吸いつづけ、歯も磨かず、入浴もしなかったといわれるが、82歳まで生きた。「改革・開放の総設計師」といわれた鄧小平は、1980年代以降の目覚しい経済発展を先導したが、80歳をすぎてから禁煙して92歳まで生きた。

鄧小平は禁煙して、毛沢東よりも10年も生きながらえたとすれば、健康に注意することが長生きの秘訣といえなくもない。しかし、歯も磨かず風呂も入らなかった毛沢東でさえ80歳を超えて生きたとすれば、健康への留意は長生きとはあまり関係がないともいえる。

私は毎日、歯も磨き、風呂にも入るが、禁煙はまだしていない。保健センターの担当医にには「先生は糖尿病の境界線上です」と警告され、食事制限や禁煙を勧められ、家人は野菜中心の食事を用意してくれるが、夜は外食が多く、出てきた料理はほとんど平らげてしまう。家人に叱られながら、就寝前についついアイスクリーム、夏になればアイスキャンディーを食べてしまう。喫煙についても、担当医は「止められませんね」と匙を投げている。

こうした日常生活が健康によくないということは自覚している。父親は60歳の正月元旦に一気に禁煙し、88歳まで生きた。私も見習わなければと思ったこともある。しかし、父は糖尿病といわれても元気で、86歳で入院するまで肉ばかり食べていた。私は肉があまり好きでなく、魚中心である。

「健康法」など皆無ということである。あるとすれば、毎年の健康診断と成人病検査を受け、「脂肪肝」、「胃びんらん」や「腎のう胞」など多くの病名を指摘されるが、「さらに1年後の定期健診で経過を見てください」との注意書きを読んで、「気をつけよう」と思うことである。ただし「再検査は必要ないということは、まだ大丈夫だ」と安心してしまう。禁煙を繰り返す同僚の一人によれば、「禁煙ガム」も保険の対象に入ったらしい。私も禁煙繰り返し組に入ってみようか。問題は、「禁煙」によるストレスとどう闘うかである。

(掲載日:2006/04/20)

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