MENU
Magazine
2005.10.07

私とSFCの新たな2年間|小島朋之(総合政策学部長)

SFCでも、10月1日から学部長や大学院研究科委員長の新しい任期がはじまる。2年任期で新たに就任したのは環境情報学部長に冨田勝先生、看護医療学部長に佐藤蓉子先生である。環境情報学部の熊坂賢次先生、看護医療学部の吉野肇一先生は任期を満了される。任期4年間にわたって、まことにご苦労様でした。健康マネジメント研究科委員長は吉野先生が続けられ、政策・メディア研究科委員長の徳田英幸先生と総合政策学部長の小島はひきつづきあと2年間にわたって職責を担うことになった。

これからの2年間は慶應義塾としても、SFCとしてもまことに大切な時間となる。慶應義塾は日本の学塾としては初めて、2008年に創立150年を迎える。すでに創立150年記念事業委員会が正式に発足し、「未来への先導」、「Design the Future」を実現すべく具体的な周年事業の計画作りとそのための募金活動を始めている。SFCも慶應義塾のキャンパスとして、150年記念事業に取り組むことになる。

SFCは1990年開設からすでに16年目に入り、義塾の中でもっとも新しいキャンパスとして、新しい時代環境にふさわしい慶應義塾の建学理念の具現化に取り組んできた。取り組みの核心は来るべき新時代の問題を発見し、解決できる人材の養成であり、「未来からの留学生」を問題解決のプロフェッショナルとして「未来」に送り帰すことであった。

創立150周年に向けたSFCの取り組みも、目指すべき方向に変わりはない。問題意識をもった「賢い」だけでなく、「元気な」学生たちがさらに多くSFCに加わることができるように、高大連携、地域三田会や体育会との連携などを通じて、AO入試、一般入試そして塾内進学に向けた新しい取り組みを試みていきたい。入学した学生たちに「問題の発見、解決」型教育をさらに徹底するために、研究プロジェクトを中心としたカリキュラムの充実化をはかり、主体的な研究への取り組みを通じて学生たちの成長を促したい。問題の発見と解決の実証実験に必要な国内や海外でのフィールドワークやインターンシップも、これまで以上に積極的にカリキュラムに取り込む仕組みを考えたい。

日本最初の総合政策学部としては、SFC「総合政策学」の確立が喫緊の課題である。2003年に『総合政策学の最先端』全4巻を刊行したが、つぎにはSFCが取り組んできた「総合政策学」を統合科学として明示しなければならない。COE「日本・アジアにおける総合政策学先導拠点」形成は、まさにこの課題に取り組んでいる。5年間のCOEは2007年3月の終了時点で、ぜひこの課題に回答を出していただきたい。

SFCは『未来を創る大学 』(故・孫福弘教授編、慶應義塾大学出版会)を目指しており、教員だけでなく職員そして学生、さらには1万人を超える卒業生がこの目標に向かってさらに「自律、分散、協調」していきたい。

(掲載日:2005/10/07)

→アーカイブ