男のくせにピアノをやっていると云っていじめられた幼稚園時代を思い出します。自分の意志でなく母からの指導で始め、悔しい思いをしながらでも続けていましたが、昔ながらのチェルニーやブルグミュラーといった教本でしたので楽しいものではありませんでした。これがきっかけとなったのでしょうが、中学1年のときにNHKの教育テレビで阿部保夫先生の『禁じられた遊び』から始まったギター教室をみてからギターの虜になってしまいました。中年の方で同様の方は少なくないと思います。1964年の時です。独学でしたが、高校生の時はマンドリンとクラシカルギター部を作り、文化祭で独演会などをして楽しんでおりました。テストや受験などで忙しいはずなのにギターの練習に逃げていたなーと記憶しています。
中世のチェンバロやハープシコードの時代の楽曲やバッハの無伴奏チェロ曲などが最も好きでありました。大学に入ってからもしばらく続けていたのですが、左手首の親指を動かす腱の炎症をおこしてしまい手首が動かなくなり、大学4年時に手術をしたのですが、結局回復せずギターを弾くのを断念してしまいました。音楽は聴く事も好きなのですが、やはり奏でる喜びは素晴らしいものであったので、誠に残念でした。
下世話な言葉で、「歌は世につれ、世は歌につれ」というのがありますが、今の私が音楽としていやされるのは10代から20代にはやった歌を聴く事にあります。昔の時代の感覚が蘇ってくるのですね。がむしゃらに前に進んでいた時代を思い、今更ながら目標を設定して、そのためにはどのように進んでいけば良いのかを考えたりするこのごろです。
(掲載日:2006/06/29)
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