あたらしい職業としての看護を拓いたフロレンス・ナイチンゲールは、90歳まで生きて偉大な仕事を成し遂げた。その業績は、宗教に依存しない看護教育の道を開いたということで看護の領域で最も注目されている。しかし、彼女の業績はそれだけに止まらない。当時のイギリス陸軍の兵士たちがおかれていた非衛生的な環境と死亡率の高さの関連を説明するために当時の最先端の統計学を用い、一目で分かるような図や表にして人々に示した。その図は説得力があるばかりではなく、形としても簡潔で美しい。さらに、入院患者の生活環境としての病院の構造について種々の提案をし、設計図まで残しているが、その設計は現代においても病院設計の専門家が参考にするほどの優れた見識を示しているという。
上流階級の出身であったとはいえ、19世紀のイギリス社会に生きた女性の身でありながら、イギリス国家を動かすほどの仕事をしたF.ナイチンゲールの健康状態は、どのようなものであったか。彼女は、30歳代でクリミア戦争中のスクタリに赴きおよそ1年半程度滞在して大活躍した。そのときの過酷な活動のために心身を消耗しつくし、その後の人生は殆ど自室に籠もったままだったとされている。ナイチンゲールの業績の殆どは、彼女が籠もっていた部屋の中から生み出されたのである。
健康状態がよいほどりっぱな業績が挙げられる例は多いだろうが、ナイチンゲールが私たちに示していることは、何事かを成し遂げようと志したときの情熱は身体的健康状態の劣悪さをカバーして余りあるということだろう。
このようなよい例を知りながら、凡人の悲しき“おかしら”は、自分の健康管理も十分ではない。身体によいこととされているさまざまなことは何一つ実行していない。スポーツもウォーキングも早寝早起きも・・・なし。ただ、身体に悪いとされていることも積極的にはしていないことが救いだろうか。例えば、喫煙習慣なし、飲酒もなし・・・
しかし、これではどこで憂さ晴らしをするのか? そこが重要課題である。
・・・と、ひとつ、発見しました。パジャマ姿の某おかしらが、奥様に叱られながらアイスクリームを舐めている姿を想像すること。これは、すばらしい健康法になりますね。このようなときの“こつ”は,できる限りの想像力を発揮すること。ニヤニヤしながら、少しおなかを抱えたりしながら本日も健やかな睡眠を。おやすみなさい・・・
(掲載日:2006/05/15)
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