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2004.04.01

「玄冬」から「青春」へ|小島朋之(総合政策学部長)

中国古代の五行思想では、四季は「青春」、「朱夏」、「白秋」と「玄冬」と分けて呼ばれる。SFCは1990年に創設されて、今年は15年目を迎える。創設直後からこのキャンパスにいる者からみれば、「もう15年もすぎた」という想いが強い。「青春」からすでに「玄冬」の1サイクルを終えたという感、しきりである。しかし、SFCはすでに第2の「青春」期に入っているのかもしれない。それをわれわれは「SFC version2.0」と言うのである。

SFCは「知の再編」、「社会先導」を旗印に教職員と学生が一体となって、自らも「変貌」をとげながら、日本の大学改革を先導してきた。「変貌」とは、SFCの研究と教育が一人の地道な個人研究から領域を超えた共同研究に、机上の研究から研究成果の社会的な実証実験に、研究と切り離した教育から研究を通じた教育に変わったということである。教員の中からは閣僚や政府各種委員、公使など現実の政策決定の中枢に参画する者、職員の中からは教員となってSFCに戻ってくる者、学生の中からも社会各面で活躍する者、研究者としてSFCに戻ってくる者が輩出している。

私自身も、振り返って見れば様変わりである。中国現代政治史の研究が中国を中心とした東アジア研究に広がり、日本の東アジア戦略、ODA戦略の作成現場にかかわるだけでなく、日本の対中環境協力の調査・研究だけでなく、その実践の深みにはまり込んでしまっている。

SFCでは教職員、学生みなが「変貌」していかざるをえない。少々つらいが、その覚悟のあるなしが、SFCライフを実りあるものになるのかを決める。それがあるかぎり、「青春」はSFCと同居する。「おかしら日記」では、そうした想いをお伝えることができれば嬉しい。

(掲載日:2004/04/01)

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