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2004.05.13

受け継がれる福澤精神・SFC生に感動|吉野肇一(看護医療学部長)

午後1時半から4時まで,SFC看護医療学部校舎201・202教室で,2003年度「青田与志子記念慶應義塾大学看護医療学部教育研究奨励基金」奨学金報告会が行われた。

青田基金は,看護医療学部の前前身である慶應義塾厚生女子学院卒業生の青田与志子君が,義塾に寄付された2億円を基にして設立され,その目的は,看護医療学部学生の外国での学習・研究活動に対する奨学金の拠出で,昨2003年度から運用されている。したがって,この報告会は初回の実施であり,興味深く参加した。

個人,団体を含めて9題の報告が行われた。1題は「ハンガリー語の上達」というもので,当該学生がかつて交換留学で訪れたことのあるハンガリーを再訪して語学研修をしたものであった。他はいずれも海外の看護医療に関する見学・ボランティア活動に関するもので,オーストラリア/ニュージーランドが4題,フィリピン,カンボジア,インド,タイでのものが各1題ずつであった。

いずれの報告も,パワーポイント等のツールを巧みに用い,しかも,きわめて力強く行われたことが印象的であった。言葉を替えて言えば,福澤精神の一つである,異国文化・文明への接触というものを自己啓発のための有力な一手段とするということが,見事に具現化されていたように思われた。私のこの印象は思いのほかに著しいもので,自分のところの学部生のすばらしさを再確認することとなり,本当に感激した。このような印象は,この報告会にご出席いただいた青田与志子君も,最後の講評で述べられ,彼女も大変に感激されていたようであった。ということは,この基金が実に有効に使われたということになり,喜びに耐えない。

最後に本音で,もう一言:これらの中には,エイズホスピスでのボランティア活動等,ハイリスクのものもあり,それにもまして9.11以降の緊迫した国際情勢や,東南アジアにおけるSARS問題等より,塾当局よりも海外渡航に対して慎重であるべしという通達も出ていたなどなどで,関係者の一員としては彼らが無事に帰ってきてくれて,ホッというところです。(了)

(掲載日:2004/05/13)

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