三田キャンパスで週に二回程のペースで常任理事会(通称常務会)という会議が開かれます。塾長、常任理事(現在10名)、塾監局長、総務部長、必要と認められたメンバー(現在は塾長室長)が、ちょうどその人数で満杯くらいのテーブルを囲んで、学校法人慶應義塾として塾長が決裁しないといけない事項(受託案件や発注案件、人事案件等)を審議します。そのうち、とても大きな案件やルール上求められている案件が理事会や評議員会にあがっていく仕組みです。
SFCから上がってくる事項も議論されることがあって、機械的にOKになる時は良いのですが、誰かが疑義を提起すると、さあ、たいへん。皆の目が一斉に私の方に向かってきて、「どうなっているの!」という眼圧がかかります。事務職員からの事前説明で分かっている時など、容易に想像できる時は説明して切り抜けます。しかし、時々不意打ちのように想定外の質問がきて、私にも解せない話があったりするのです。そんな時は「ああ、でも今日この決裁を通さないと、必要な支出とか出来なくなって、キャンパスのみんなが困るのだろうなぁ」と思いつつ、冷や汗をかきながら、しどろもどろに説明をする羽目に陥ります。(なので、みんなもめそうな話こそ、事前に耳打ちしておいてね)。
誤解されないように加えておきますと、大変だから無難なことだけやってくれと言っているわけではありません。良い話の時は鼻高々にSFCがこんなにすごいことをやっているのです、と説明していて嬉しくなりますし、みなさん自信をもっていただいていいと思います。SFCから出てくる話は創造的で未来志向なので、頑張りがいがあります。
ですから皆さん、國領が三田キャンパスで説明に困るような創造的なことを、どんどんやって下さいね。まじめな話、SFCは常に尖っていないと、強力なコンペティターがひしめく首都圏の中で、圧倒的な条件不利地にあるので、たちまち沈没します。単にメインストリームのアカデミックペーパーを書いているだけ(それもやるけど)では生きていけません。その宿命があるからこそ、尖鋭性を保てているのだとも思っています。世界にここだけのキャンパスを作りましょう。