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2020.01.21

2020年の元旦@SFC|総合政策学部長 土屋 大洋

横浜市営地下鉄線で下飯田駅を過ぎ、湘南台駅のトンネルに入る直前、視界がパッと開ける場所がある。そこで雲の切れ間に初日の出が見えた。年末から引いた風邪の咳が止まらないものの、今年は良いことが起きそうな予感がする。

湘南台西口のバス停から7時35分に出発するバスには私の他に14人も乗車している。元旦の朝から大学に行く人はそんなにいないと思うが、どこへ行くのだろう。イトーヨーカドーの前の南大山のバス停で3人が降りた。他の皆さんは終点の「慶応大学」のバス停まで乗車。どうやらほとんどが慶育病院に勤務されている方々のようだ。元旦からの勤務、おつかれさまです。

カスケード.pngのサムネイル画像キャンパスの中に向かうのは私だけだ。守衛さんに手を挙げて挨拶する。人の気配のないキャンパスは新鮮な空気で溢れている。初日の出の光がΩ館に反射している。
自室でこの原稿を途中まで書き、8時40分に北門警備室の前に集合した。看護医療学部の武田祐子学部長、キャンパスの廣田とし子事務長が一緒だ。歩いて数分の遠藤西部自治会館へ向かった。



さかのぼること15年前の2005年元旦、吉野肇一・看護医療学部長が体験記を書いておられる
。秘書チームから読んでおくようにアドバイスがあったので熟読する。挨拶の後、小島朋之総合政策学部長が「では、われわれはこれで」とおっしゃり、「サッとゾロゾロ」という感じで退席したらしい。なるほど、「サッとゾロゾロ」か。

なお、吉野学部長は定年退職に当たってこの日記を振り返り、「毎年元旦の新年会の様子をまとめた。この元旦行事は今後ずっと続きそう。SFC学部長・研究科長・事務長諸君、今後の健闘を祈る」と書いておられる。吉野先生、続いていますよ!

地元の皆さんと、藤沢市長、地元選出の衆議院議員、県議会議員、市議会議員の皆さんとともに遠藤地区新年会に出席。地元の皆さんとこうして一堂に会するのは、私にとっては初めてのことで新鮮だ。元旦の朝9時に集まるという地元の団結力もすばらしい。ビールで乾杯の後、街作りに頑張りましょうとお話しする。すると、武田学部長が「では、われわれはこれで」とおっしゃり、「サッとゾロゾロ」帰ろうとするが、いろいろな方々とお辞儀合戦になってしまい、なかなか帰れなかった。

浅間神社.pngのサムネイル画像私はその足でキャンパスの南西にある浅間神社へ。元旦に学部長がお参りに行かないと入試志願者が減るというジンクスがあるという。福澤諭吉がお札を踏んだらばちが当たるかどうかを確かめたという話が『福翁自伝』にある。ここは敢えてお参りしないのも手かと思ったが、今年の入試志願者は減るものと見込まれているようなので、増えるかどうか確かめてみよう。
12年前の2008年の元旦、阿川尚之総合政策学部長と徳田英幸環境情報学部長もお参りをしたそうだ。後で気がついたが、私は欲が張っているみたいで、阿川学部長の50倍の賽銭を投げ入れてしまった。インフレのせいにしておこう。

帰りは湘南台駅から相鉄線に乗った。空はすっかり晴れ渡っている。いずみ野駅の手前で雲ひとつない青空の下に富士山が見えた。今年はやはり良い年になりそうだ。

土屋大洋 総合政策学部長/教授 教員プロフィール