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2020.03.31

禍と欲|環境情報学部長 脇田 玲

禍と欲

欲望が止まらない

湯水のように消費し
汚れたもので大気を満たし
気温を上昇させ
氷河を溶かし
疫病を北上させ
自らの命を危うくしている

それでも湧き出る欲望を抑えきれない

火遊びに夢中になり
事故を起こし
放射線を撒き散らし
住めない土地をこしらえ
自らの遺伝子を傷つけている

それでもまだ欲望は溢れ出てくる

神聖な森に手を伸ばし
隠れた者たちを世に放ち
社会を麻痺させ
職を危うくし
自らの命をも危うくしている

それでもまだまだ欲望が止まらない

人間は自らを挑発することで生の実感を得ている
全ての欲望はそこにつながっている

新型コロナと向き合う中で
そんなことを考えた

脇田玲 環境情報学部長/教授 教員プロフィール