大学院の恩師が「山上の光賞」という、健康・医療・医学分野において素晴らしい活躍をし、よりよい社会を築くことに貢献している80歳以上の方々を顕彰する、公益社団法人 全日本病院協会と一般社団法人 日本病院会の共催による栄誉ある賞を受賞されました。門下生としては、共に喜びを分かち合える機会の企画をと考え、最近はオンライン○○会が浸透してきているので、祝賀会に適用してみました。
私の母校での大学院教育を担われていた5年間の在籍期間にご指導いただいた院生を中心とした集まりなので、声掛けは20名余り、欠席者についても事前に動画等のメッセージを頂き、全員が参画する形で実施できました。急な企画であったにも拘らず、広域な地域から移動時間なしで参加できるオンライン開催のメリットが活かされました。
授業等でオンラインには散々慣れてきたということであっても、祝賀会は初めての試みなので、乾杯も組み入れたプログラムを準備し、どのような会になるのか大きな期待と少しの不安を持って臨みました。出し物は、先生のご功績の紹介、在籍期間の写真をスライドで準備し、それをトリガーに記憶の引き出しから思い出を語っていただくように考えました。20年以上も前になる記憶であっても、参加者個々に思い起こされる内容は様々で、その断片の集合により、それぞれに鮮やかな光景が広がるように感じました。修士・博士論文作成過程における、行き詰まりとその時の緊張感なども再現され、立場は変わったものの、同様の光景が繰り返されているものだと、妙に感心もしました。対面での開催のように歓談の時間を設けることはできませんが、参加者全員が同じ話題に着目しながら進行できるのはオンラインならではの面白みかもしれません。90分~120分と考えて企画しましたが、あっという間に時間いっぱいの終了時間となり、名残惜しさを感じながらの閉会となりました。
対面による会合が制限される中、授業、学会、面接など、オンラインがあらゆる場面で活用され、参加してみると多種多様な工夫がされていて、活用してみたいと思うことも多くあります。双方向性のコミュニケーションの課題は常に提示されますが、今回は共に祝いたいという参加者の意識がはっきりしている中で、共通の関心事を素材とした会話が発展したことで、充実した時間となりました。
withコロナの時代に、人との関係性の形成が問われ、未だ、新入生歓迎の意も十分に表すことができないでいる教育の現場において、今回の経験をどのように活用していけるかについても考えてみたいと思います。