4月7日(木)から春学期の授業がスタートした。2020年春学期から新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、キャンパスで開講できる授業が限定されてきたが、慶應義塾大学は今学期からほとんどの授業をキャンパスに戻すことにした。久しぶりに学生で賑わうキャンパスで、「環境情報学」を開講した。この授業は、環境情報学部では数少ない必修の授業で、入学直後の1年生に履修してもらう想定で設置されていて、春学期には日本語、秋学期には英語で開講されている。授業の主担当は学部長である。つまり、入学したばかりの学生に学部長が学部の魅力を語るのである。私は昨年10月1日に学部長に就任したので、先学期は英語で開講し既に一度担当していたが、入学定員のほとんどが入学してくる春学期の担当は初めてとなった。環境情報学と同様に、総合政策学という授業も総合政策学部の学生のために開講され、それぞれ1単位であるため、両学部の新入生はたいていどちらも履修する。例年履修者は700名以上になるので、一つの教室での実施はリスクが高いだろうということになり、今年度は週に2回開講し、履修者を半分ずつに分けている。
授業は「環境情報学とは何か?」をテーマに、合計26名の教員がそれぞれの専門から語る構成としている。2021年12月8日に公開されたおかしら日記に、加茂具樹総合政策学部長が「本をつくります。」と題して、総合政策学についてなされてきた議論と新たに始まったブック・プロジェクトについて紹介している。総合政策学部ではたびたび総合政策学とは何かという議論がなされてきたことに比べ、環境情報学部ではあまりそうではなかった。環境情報学部のパンフレットやホームページを見ても、環境情報学とは何か、はっきりと説明されていない。もちろん、1990年に環境情報学部を新設した際には、環境情報学とは何かを示して設置申請されたが、その後議論されてこなかった。学部開設から30年以上が経ち、次の30年を見据えるためにも、改めてまず教員に問いかけてみようと今学期の授業を企画した。毎週2回の授業には複数の教員が登場し、対話しながら自らの専門と環境情報学を語ってもらう。多くの教員が登場するせっかくの機会である。毎回の導入部は数分の動画にまとめYouTubeのSFCチャンネルに一般公開していくことにした。履修者のみならず多くの方に環境情報学部を知っていただく機会になると思うので、是非ご覧いただければ幸いである。