3月に入り、キャンパスもすっかり春めいてきた。春は別れと出会いの季節である。3月23日には学部の卒業式が予定されている。一方、2月18日には一般選抜入試が実施され、25日に総合政策学部とともに環境情報学部の合格発表がなされた。これまでにAO入試をはじめ入学が決まっていた人と合わせ、4月に入学してくる学生の顔ぶれが決まった。今は春休みで静かなキャンパスであるが、新学期を迎える準備が着々と進んでいる。SFCにとってこの春のビッグニュースは、慶應義塾大学にとして初めてキャンパス内に設置された学生寮であるイータヴィレッジが開設されることである。でも、こちらは加藤文俊先生が来週のおかしら日記で紹介するであろうから、楽しみにしていただきたい。
さて、今回紹介したいのは4月からスタートさせようとしているSFCサステナビリティプロジェクトである。去年の11月初めに公開されたおかしら日記では、SFCのカーボンニュートラル化について書いたが、その後11月20日のSFCオープンリサーチフォーラム(ORF)の場で、2030年に向けたカーボンニュートラル目標を発表した。同時にキャンパスとして「自然エネルギー大学リーグ」に加盟した。カーボンニュートラル目標の発表は、慶應義塾大学のキャンパスとしては初めてで、現在大学全体としても目標を検討中であるが、SFCが先頭を切って取り組みを進めることになった。しかし、カーボンニュートラルの取組は宣言をすれば終わることではなく、私たちはスタートラインに立っただけである。2月初めに岡田英史慶應義塾常任理事、中峯秀之湘南藤沢キャンパス事務長、塚原沙智子環境情報学部准教授らと自然エネルギー大学リーグを牽引する千葉商科大学を訪ねた。千葉商科大学は2023年度にも自然エネルギー100%を達成する予定である。原科幸彦学長にキャンパスを案内いただき、学生、教職員とともに進める様々なプロジェクトの話を伺った。
SFCでもこの春から学生、教職員がともに進めるプロジェクトを始めようと考えている。カーボンニュートラルに限らず、資源循環、自然環境保全、そしてさらには食や農、健康や行動変容とより幅を広げたサステナビリティプロジェクトにしたいと思っている。私たちは二酸化炭素の削減だけを目指せば良いわけではない。サステナビリティを維持し、究極的にはウェルビーイングの向上につなげなければならない。学際的なアプローチが得意なSFCにまさにうってつけのテーマと言えるだろう。準備を始めたばかりだが、順次情報を発信していきたい。学生の皆さんがこのおかしら日記をどれだけ読んでいるのか全く分からないが、学生の皆さんからの提案や参画を期待したい。