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2024.06.11

寝苦しくなる6月―より良い睡眠を|看護医療学部長 野末 聖香

6月になりました。湿度も気温も高くなり、寝苦しくなる季節です。睡眠は、心身の休養のために、仕事・学習の効率化や気分の安定などのためにとても大切ですが、近年不眠に悩む人が増えています。私は睡眠とメンタルヘルスを改善する遠隔看護の研究を続けていますので、今回はより良い睡眠のためのヒントをご紹介し、ともにこの季節を乗り切りたいと思います。

不眠は、寝る時間はあるのに満足のいく睡眠が取れず、昼間の活動に支障をきたす状態です。寝つきが悪い(入眠困難)、しばしば目が覚める(中途覚醒)、朝早く目が覚める(早朝覚醒)、ぐっすり眠れた感じがしない(熟眠困難)、昼間に眠気が残り集中力や注意力が落ちる、などがあります。人には睡眠と覚醒を調整する体内時計があり、自律神経やホルモンなどを動員して、夜には眠くなって寝る、朝には自然に目覚める、という規則的な睡眠リズムを作っています。ですので、日中適度に疲れを溜め、規則正しく生活し、睡眠環境と心身を整えることが大切です。より良い睡眠のためのポイントとして、①定期的に適度な運動をする、②寝室に光や音が入らないようにする、③寝室を快適な温度と湿度に保つ、④朝起きたら太陽の光を浴びる、⑤規則正しい食生活をし、寝る前に水分をとりすぎない、⑥カフェインの摂取は午後3時までにする、⑦寝る前や夜中はアルコールを飲まない、⑧禁煙する、⑨寝床で悩み事を考えないようにする、⑩眠ろうとして頑張らないようにする、などがあります。どれも簡単なようでなかなか難しいですね。

不眠が続くと、眠れないことへの恐怖感から緊張が生じてますます眠れなくなるという悪循環に陥りがちです。が、少々睡眠時間が短くても、日中の活動に支障がないなら大丈夫です。ただし、不眠により日中だるさや意欲の低下、集中力の低下があって活動に支障が出る場合は専門家に相談しましょう。睡眠時無呼吸症候群やうつ病などが隠れているかもしれません。

心身の健康にとってとても大事な睡眠。睡眠に不安のある方は上記試してみてはいかがでしょうか。

野末 聖香 看護医療学部長/教授 教員プロフィール