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2025.12.16

キャンパスに住んでみませんか|環境情報学部長 一ノ瀬 友博

先週末(12月13日、14日)は、SFCで「ドミトリーフェス2025」が開催された。これは、環境情報学部加藤文俊教授が未来先導基金により取り組んでいる「ドミトリー・スタディーズプログラム」の一環で開催したもので、早稲田大学、中央大学、国際基督教大学、立命館アジア太平洋大学、国際教養大学と慶應義塾大学の学生、教職員が「これからの国際寮のあり方について考える」をテーマに、SFCで合宿し、2日間にわたって議論した。ドミトリー・スタディーズプログラムでは、昨年度他大学の学生寮を視察し、今年度はそのうちのいくつかの大学にお越しいただき、このイベントを開催することになった。

私は14日のお昼に行われた大学混合グループワークの成果発表に参加させていただいた。寮生の多文化協生や理想の寮運営体制など、それぞれ異なるテーマに分かれ議論が行われ、その成果がプレゼンテーションされた。国際学生も含め多様な学生が集うがゆえの運営の難しさ、多くの寮生に寮生活を楽しんでもらう工夫などが共有された。発表の中では、来年はうちのキャンパスでやりましょうといった提案まで飛び出した。私は発表会しか参加することができなかったが、2日間で有益な意見交換と交流ができたのではないかと思われる。

私たちのキャンパスに設置された学生寮であるH(イータ)ヴィレッジは、これまでもこのおかしら日記でたびたび取り上げられているが、2023年3月に開設し、早くも2年半以上が過ぎつつある。2021年3月に設置された近接の湘南藤沢国際学生寮とあわせると現在約350名の学生がキャンパスがある遠藤地区に住んでいる。かつては週末や長期休暇期間中にキャンパスを訪れると、ほとんど誰にも会うことはなかったが、今では学生たちを目にすることが多い。郊外に位置している私どものキャンパスにとって学生寮の存在は極めて大きい。国外や地方から入学する学生のみならず、首都圏出身の学生にとっても長い通学時間から解放されることになる。

もっとも課題もいろいろあって、特に最寄りの駅とキャンパスの間のバスの最終が早すぎると学生から指摘されている。就職活動が本格的になるととりわけ実感するそうだ。とはいえ、必ずしも4年間寮で過ごさなければならないわけでもないので、自分にとって適した時期に是非寮に住んでみてほしい。通学先としてだけではなく、住民としてキャンパスや周辺地域に関わることも新たな発見につながるだろう。


撮影:岸 剛史

一ノ瀬 友博 環境情報学部長/教授 教員プロフィール